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* 戯言日記 *

徒然なるままに…

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2024/May
Sunday
03:27:38 Comment(-)
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SAYURI

休日出勤の代休だったので,一日お出かけデーにしちゃいました。

まず午前中は映画鑑賞。ガラガラかと思って10分前に行ったんですが。ごめんなさいレディースデーを舐めてました。長蛇の列ができてましたよ! いやぁ~平日の午前中に暇な人がこんなにいるとは!(@@;)

始まっちゃうんじゃないかとやきもきしながら列に並び,チケットをゲット。なんとか間に合いましたよ(^_^;)

あっ,ネタバレなんぞは気にせず思ったままに書いちゃいますので,これから観に行く予定の方(いるかな?)は,読まないほうが賢明かと思いますm(_ _)m

観た映画は「SAYURI」。学生の頃に原作を読んでいたので,いつか観ようと思ってたんです。原作といっても翻訳された方ですけどね。そう,著者は外国人なのです。「どうせ外国人の間違ったイメージの日本人像でしょ?」と思われないために,色々調べて書いたとのこと。確かに日本人である私が読んでも違和感なく読めました。

内容は,簡単に言うと,貧しい漁師町から身売りされた少女・千代が,祇園一の売れっ子の芸者に成長してゆくというもの(簡単すぎ?^^;)。いや,語り出すと絶対にとてつもなく長くなる自信があるから(ぉぃぉぃ),このへんでやめておくのが適当かと…(笑)

まあ物語そのものは,よくあるパターンで,まったくもってありきたりなんですが,でも,言葉の言い回しが巧かったり心理描写が繊細だったりして,読んでて面白かったんですよ。ハードカバーの上下巻,一気に読んじゃいましたからね。で,芸者さん(正確には芸者とは言わず,舞妓(水揚げ前)と芸妓(水揚げ後)と言う)の話ですから当然着物だし,祇園ですから言葉もはんなりとした京都弁。このへんを楽しみに,「よし映画観に行くぞ☆」となったわけです。(それにしても公開からだいぶたってから観にいくあたり,私らしいよなぁ…。そして,こんなにたっているのにも拘わらずレビューの一つも読まずに行くのも私らしい? まー,評判を聞いても自分の目で確かめたい性質なので,不評と分かってても観に行ったと思いますけど。^^;)

で,感想。

…。

…。

…。

カネカエセ…o(-_-#)

原作が良かったから,例えハリウッド映画でもそれなりに日本らしく作ってくれるだろう…と考えたのは甘かったようです。原作者があれだけ日本について調べて作り上げたものを,こうもあっさりわやくちゃにしてしまうとは…。「外国人が勘違いしている日本人像」そのものを見せられた気がします(-_-;)

まず日本家屋とか着物とかの造り(っていうのかな?)がいい加減。どこが違うのかはよく分からなかったのだけど,でも,全体的に感じる違和感があり…。そして日本人の心が分かっていない(まあ日本人じゃないんだから無理な話かもしれんが)。いくら初桃だって,千代の見ている目の前で男と「さっきの続き」はねーだろう?

そして原作の良さが全く出ていない。さゆりが初めてお座敷に出たとき,一緒にいた初桃が「私にもそんなときがあった」と言うのですね(セリフはうろ覚えです。もしかすると初桃のセリフじゃなくて,お客にそう聞かれたのかも?)。それに対してさゆりは,「long long long... long ago」とか何とかイヤミたっぷりに返すんですよ(あ,もちろん英語でしたよ。字幕で見ました)。

…あのねぇ,さゆりはわざわざ自ら敵を作るようなことは言わないの。初桃から嫌がらせを受けて,周囲がどう答えるのか楽しみにしてるようなときだけ,仕方なしにすっと切り返しの言葉を返す。それがまたスパッと切れるような巧い言葉で。また花柳界独特の遠回しな表現で,物事をストレートに言うことなんかないに等しい。でも何のことを言っているのかは分かる。「うまいこと言うなぁ」っていう話術の持ち主。とにかく,粋なんですよ,さゆり姐さんは。それが,映画の中では全く別人のように無粋なんですわ。原作の言葉を借りれば「鈍くさい子ぉやなあ」ってことになりましょうか(違うかも…^^;)。

要所要所が語られずに終わってしまったのも残念でしたね。岩村電器と大きいおかあさんの関係(これが分かれば延さんの立場やおかあさんの思いが分かるのに)だとか,千代と姉の佐津を売った「田中さん」の人物像(千代は最初家を出るのを喜んでいた!)だとか,水揚げ前にあらぬ疑惑を持たれてしまった「蟹の院長」への対応(あまりにあっさりしすぎだよ。あれじゃただのエロジジイじゃないか;;;)だとか…。時間の都合もあるんでしょうけど,ポイントは押さえて欲しかったです。映画しか観てない人には,さゆりに都合よくポンポン話が進んだようにしか見えなかったのでは? 本当は裏でもっと苦労してるのにねぇ…。

でも一番許せなかったのは,話の重点が全く別のところに置かれていたこと。

私の中では,あの話は少女時代に窮地を救ってくれた(に等しい)「会長」なる人物に思いを寄せるさゆりの「純愛物語」なんです。それが,劇中の話は,メインはどう見ても「女の戦い」。ハリウッド版「大奥」ってところでしょうか? 初桃VSさゆり(千代),初桃VS豆葉,豆葉VSおかあさん,さゆりVSおカボ,ってな感じですかね?
違うのよぅ,確かにそれもあるけど,メインは会長への恋心なの!(>_<) しかも会長からもらった思い出のハンカチ捨てちゃってるし(原作では思いとどまってますよ)。

…とまあ,どうにも納得いかない結果に終わってしまいました。しばらくぶりの映画だったのに本当に残念。

あ,でもね,全然楽しめなかったかというとそうでもなくて,例えばおかあさんを演じた桃井かおりの「…あ?」の一言が素晴らしく迫力があって怖かった,とか(それ以外でも桃井さんの演技が一番だったと思う^^),久しぶりに舞の海が相撲取ってるとこを見られて懐かしかった,とか(もはや内容と関係ないぢゃん;;;),まあちょっとぐらいはいいところもありました(笑) きっと期待しすぎちゃったんでしょうね。最初から「どうせ外国人が作った日本の話だろ?」と思って観に行っていたら,また違った感想を持ったのでしょう。「まあまあかな」ぐらい言っていたかもしれまへんなあ。あそうそう,字幕が全て共通語だったのも悲しかったです。全然「はんなり」しまへんのどす~(ノ_;) 吹き替え版も共通語なんでしょうかねぇ?

最後に。
映画だけ観てがっかりしちゃった方へ。
是非原作を読んでみて下さいね。
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2006/Jan
Wednesday
22:24:47 Comment(0)
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